将来性のある業界への転職を考える上で介護業界は有望な選択肢の1つと言えるでしょう。なぜなら現在の日本は非常に深刻な少子高齢化社会を迎えてしまっており、介護を必要とする高齢者の方が増えるとともに、少子化によって介護を担当できる人材が減ってきているという二重の問題を抱えているからです。
まず少子高齢化の中でも高齢者の増加について見てみましょう。実は高齢化という問題自体は日本固有の問題ではありません。先進国であればどの国も大なり小なり高齢化に悩んでおり、問題を抱えています。しかし日本は先進国の中でも特に高齢化のスピードが速いために問題が深刻になっているのです。どうして日本の高齢化が他の先進国に比べて深刻なのかですが、まずは出生率の少なさがあげられます。高齢化の原因自体は少子化、つまり出生率の低下に限定されません。時代の進歩とともに医療技術が発展しているため人間の平均寿命が伸びてきており、これが高齢者の増加に繋がっています。しかし日本の場合は平均寿命が特に長いことに加えて、生まれる子供の数が少ない少子化も深刻であり、そのために高齢化のスピードに拍車がかかっているのです。
その結果として日本の高齢者の人数はとても多くなっており、現在でも4人に1人の方は高齢者であると言われています。そしてこれが2025年には3人に1人もの方が高齢者になると言われているのです。当然高齢者の方は若い方に比べて体の自由がききません。安心して暮らすためには介護サービスを必要とする方も多くなるため、今後介護業界には大きな需要があると言われているのです。
介護業界の需要が上がる理由の全てが高齢化に帰するわけでもありません。単純な高齢化に加えて高齢者の単身世帯が増加していることも大きな要因となるのです。例えばある推計では今後2025年にかけて、独り暮らしの高齢者の方の人数は10万人以上も増える可能性があると言われています。まだ家族と同居している高齢者であれば介護が必要となったとしてもそのサービスの利用は限定的な範囲で済みます。しかし独り暮らしの高齢者の場合はより多くの介護サービスを利用する可能性が高いのです。家族と同居している方であれば日常生活の買い物や食事の調理などは同居している家族がサポートしてくれる場合が多いのですが、独り暮らしであればそれも介護サービスの力を頼らざる得ない場合が出てきてしまうからです。それに要介護の度合いが高くなれば、独り暮らし自体を諦めて施設に入居しなければならないというようなことにもなるでしょう。
こうした点からも介護業界への需要は大きくなる可能性が高いと言えます。
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